その他漢方薬の処方例
だるさ
だるさにもいろいろあります。めまいや、気分的にも元気が出ない場合など。様々な症状を一つの薬で治すことができるのは漢方の魅力の一つですね。
基本処方 |
補中益気湯 |
夏バテ |
清暑益気湯 |
貧血などで体力低下が著しい時 |
十全大補湯 |
めまいを伴えば |
半夏白朮天麻湯 |
気分の落ち込みがある場合 |
加味帰脾湯 |
女性ホルモンに伴う諸症状
生理痛、月経前症候群(PMS)、更年期障害に伴う諸症状に対しては、当帰芍薬散、桂枝茯苓丸、加味逍遙散の3つが基本処方になります。
貧血傾向で冷え性の方 |
当帰芍薬散 |
少しのぼせ症で体力のある方 |
桂枝茯苓丸 |
疲れやすくていらいらする方 |
加味逍遙散 |
便秘
西洋の薬のほうがよく効くとお思いでしょうが、便秘に関しては漢方のほうがよく効く場合もあります。また体に合った薬を選べば、効きすぎて下痢してしまうこともなく使用できます。
基本処方 |
麻子仁丸 |
便がころころ乾燥した硬い便の場合 |
潤腸湯 |
もうすこし強めの便秘薬 |
大黄甘草湯 |
それでも効かない頑固な便秘 |
大承気湯 |
若い女性で便秘と生理痛がひどい時 |
桃核承気湯 |
女性ホルモン調整作用も期待して |
加味逍遙散 |
ガスがたまる便秘 |
大建中湯。外科手術後の腸閉塞に対してもよく使用される漢方です。 |
下痢
急性胃腸炎に伴う下痢の場合、漢方薬を西洋薬に加えることで効果を期待できます。漢方薬には胃腸の動きや粘膜の腫れを改善させる効果があることも指摘されています。
微熱程度の胃腸炎の下痢 |
桂枝人参湯 |
熱がかなり出てひどい下痢 |
半夏瀉心湯 |
嘔吐がひどいとき |
小半夏加茯苓湯 |
発熱、嘔吐、下痢を伴うノロウイルス感染症 |
黄ごん湯 |
慢性的な下痢で、とくにおなかが冷えて下痢する場合 |
人参湯や真武湯 |
体力が低下して下痢するとき |
啓脾湯 |
過敏性腸症候群で起床時あるいは朝食後に腹痛とともに下痢をする |
桂枝芍薬湯 |
風邪
風邪はウイルス感染によるものです。抗生物質は効きません。また無理に熱を下げてしまうとだるさが長引いてしまいます。熱が出るのはウイルスをやっつけようと体の免疫系が反応しているのです。漢方薬は免疫系の作用を高めることで風邪を早く治す効果があるとされています。
風邪にともなう悪寒、頭痛 |
麻黄湯(インフルにも適応)、麻黄附子細辛湯、葛根湯 |
だるさが長引くとき |
柴胡桂枝湯、参蘇飲 |
乾いた咳がつづく |
麦門冬湯 |
痰のからむ咳がつづく |
清肺湯 |
だるさが残り、夜になると咳が出て眠れない |
竹茹温胆湯(インフルにも適応あり) |
鼻汁 |
小青竜湯 |
鼻づまり |
葛根湯加川芎辛夷 |
のどの痛み |
桔梗湯 |
不眠
不眠に対して西洋の睡眠薬では依存性が生じたり、長期処方ができないなどの欠点があります。漢方薬が合うならば安心です。
疲れているのに神経過敏で眠れない |
酸棗仁湯 |
イライラして眠れない場合 |
抑肝散 |
不安感が強い場合 |
加味帰脾湯 |
悪夢をよくみる |
桂枝加竜骨牡蛎湯 |
痛みに対して鎮痛剤を長期に内服すると胃が荒れてしまいます。漢方薬は胃により優しいため使いやすいという利点があります。とくに体が冷えやすくて節々が痛いという漠然とした症状に対して有効です。
足腰が冷えて頻尿とともに腰が痛む |
牛車腎気丸、八味地黄丸 |
冷えやすい人の関節痛や神経痛 |
桂枝加朮附湯、疎経活血湯 |
膀胱炎・尿道炎
膀胱で菌が増えている場合は抗生物質で治療します。でも菌がほとんどいなくなっても粘膜が傷ついて知覚過敏の状態になって、痛みが残る場合があります。このような場合にも漢方薬は膀胱粘膜の炎症を改善する作用があります。尿道炎の場合も同様です。
体をあたためて尿を出しやすくする |
牛車腎気丸、八味地黄丸 |
女性の膀胱炎症状 |
猪苓湯 |
男性の尿道炎症状 |
五淋散 |
むくみ
むくみに対して利尿剤を使用することがあります。たしかによく効くこともあるのですが、利尿剤はまず全身の血管の中の水分をおしっこにして出しているのです。その結果、足にたまった水分を血管の中にひきこんでいるのです。漢方薬は体内の水分バランスを改善することでむくみをとると言われています。
むくみとともに頭が重い症状がある場合。二日酔いにも効く |
五苓散 |
胃腸炎症状とともにむくんでいる場合 |
柴苓湯 |
肥満気味な方のむくみ |
防己黄耆湯 |
めまい、ふらつき
めまいが長引く場合、西洋薬でもなかなか治らないことがあります。このような時に漢方薬を合わせることで症状の改善が期待できます。
基本薬 |
苓桂朮甘湯 |
倦怠感や低血圧をともなうめまい |
半夏白朮天麻湯 |
低気圧で悪化するめまい |
五苓散 |
高血圧のめまいと頭痛 |
釣藤散 |
かゆみ、発疹
かゆみに対しては西洋薬が切れ味よく効いてくれる場合が多いです。でもかゆみの症状は急に悪化するなど波があります。このような時に漢方を使用すると効果的です。また症状が悪化しそうな時期に前もって漢方を内服することで、予防効果が得られる場合もあります。
かゆみが強い |
黄連解毒湯 |
急性期の盛り上がった紅斑のじんましん |
十味敗毒湯 |
腫れが目立つ場合 |
越婢加朮湯 |
乾燥が強い時 |
温清飲、当帰飲子。乾燥で悪化する冬型湿疹の定番処方です。 |
分泌物が多い場合 |
消風散。汗で悪化する夏型湿疹の定番処方です。 |
にきび
慢性化したニキビとともに慢性鼻炎の炎症を抑える |
荊芥連翹湯 |
赤ら顔のニキビの炎症を抑える |
清上防風湯 |
化膿したニキビの膿を出す |
十味敗毒湯 |
ホルモンバランスを整え血行を良くする |
桂枝茯苓丸加薏苡仁 |
そのほか
しもやけ |
当帰四逆加呉茱萸生姜湯 |
こむら返り |
芍薬甘草湯(屯用で使用) |
パニック |
甘麦大棗湯(屯用で使用) |
肥満 |
防己黄耆湯(ぷよぷよした水太り)と防風通聖散(がっしりした固太り) |
- 診療科目
- 内科・皮膚科・アレルギー科
- 住所
- 東京都渋谷区代々木
1-38-1 タムラビル2階
- 最寄駅
- 代々木駅徒歩1分
- 電話番号
- 03-3377-1011
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