頭、鼻、のど首のしこり、腫れ
心配なリンパ節の腫れの見分け方
成人のリンパ節は、首やわきの下は1cmまで、鼠径部(太もものつけ根)では2cmまでは正常でも見られます。これ以上に大きくなった場合、あるいは新たに出現したリンパ節の腫れ、リンパ節が楕円形ではなく球形に盛り上がっている場合、押して痛む場合はリンパ節が腫れる何らかの原因があると考えます。
リンパ節が腫れる原因の3分の2以上は細菌やウイルスによる炎症性のもので、悪性リンパ腫などのリンパ節の悪性疾患は1%未満といわれています。ただし40歳以上の場合は悪性疾患の割合が4%まで増加します。リンパ節の腫れが4週間以上続く、あるいは1週間以内で倍以上の大きさになる場合、さらに発熱、寝汗、体重減少を伴う場合には、精密検査を念頭に専門病院へ紹介します。また石のように硬くて周囲にひっついている(癒着している)ような形のリンパ節の腫れは、周囲の臓器に癌がある場合もあります。
リンパ節が腫れた場合、どこに炎症があるかを調べます
咽頭炎や扁桃炎などの、のどの細菌性の炎症に伴ってその周囲のリンパ節が腫れてくることはよくあります。数日で2㎝程度まで腫れることもあり、扁桃炎が治ってからもリンパ節の腫れがしばらく残ることもあります。症状の経過を見ながらいつまで抗生物質を使うかを判断します。そのほかEBウイルスというウイルスが感染しておこる伝染性単核球症という病気では、のどの痛み、首のリンパ節の腫れとともに、肝臓が腫れて、右わき腹を軽くたたくと痛むがひびくといった症状が現れます。頭部や顔面の皮膚の炎症、たとえばアトピー性皮膚炎の悪化や口唇ヘルペス、顔面の帯状疱疹の場合にも、首のリンパ節が腫れてくることがあります。そのほか虫歯に伴ってあごの下のリンパ節が腫れる、結膜炎に伴って耳の前のリンパ節が腫れることもあります。炎症がどの部位にあるか、のどだけではなく顔面や頭部まで診察します。
猫に引っかかれたらリンパが腫れてきた
猫の爪にはパスツレラ菌という細菌がいて、猫に引っかかれたことでその部位の皮膚が感染を起こし、周囲のリンパ節が腫れることがあります。「ネコひっかき病」というそのままの病名がついています。そのほかウサギによる野兎病、ネズミや汚染された水によるレプトスピラ、草むらや動物についているダニから感染するリケッチアやライム病などもリンパ節が腫れる原因となります。
若い女性のリンパ節が腫れてきた
菊池病、あるいは亜急性壊死性リンパ節炎といわれる病気は、10-20代の女性に見られます。後頭部や首のリンパ節の腫れと痛み、発熱を伴います。原因は不明です。解熱鎮痛剤を使用して1-2か月で改善してくるのでそれほど怖い病気ではないのですが、確定診断にはリンパ節を取って調べる生検という検査が必要になります。そのほか自己免疫反応による膠原病(こうげんびょう)のなかで、全身性エリテモトーデス(SLE)やシェーグレン症候群といった病気も、若い女性にみられる病気で、リンパ節が腫れることが特徴です。
首が太いのではなく、腫れているのかもしれません
健康診断で首の付け根の前の部分をチェックされたことがあるでしょう。首が太いかどうかではなく、甲状腺が腫れているかどうかを診察しているのです。甲状腺は、のどぼとけのすぐ下あたりにあり、蝶のような形をしています。通常はさわってもわからない程度の厚みですが、甲状腺が腫れるともっちりとした触感で触れるようになります。このような場合はバセドウ病か橋本病の可能性をまず考えます。いずれも女性に多い病気です。
甲状腺は甲状腺ホルモンを作り出す器官ですが、自己免疫による刺激で甲状腺ホルモンが多量に産生されている状態がバセドウ病、反対に自己免疫によって甲状腺が破壊されて甲状腺ホルモンの産生量が低下する場合が橋本病です。甲状腺ホルモンが過剰となると、動悸、息切れ、体重減少とともにイライラ感、手の震え、眼球突出などの症状が出現します。逆に甲状腺ホルモンが低下すると、疲れやすさ、むくみ、脱毛、集中力の低下がおこります。血液検査で確定することができます。
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