代々木の湿疹と乾燥 代々木駅前さかいクリニックYoyogi Station Sakai Medical Clinic

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皮膚湿疹と乾燥

汗をかく場所がかゆい

頭皮、首の後ろから耳の下、腰の背中側、肘や膝のくぼみなどは、汗がたまりやすく、こすれやすい場所です。ここが赤くなって乾燥し、かゆくなってくることがあります。これが湿疹です。アトピー性皮膚炎がある方ではこういった湿疹が出やすいです。かゆくてかいているうちに皮膚が分厚くなってしまった状態を苔癬化(たいせんか)といいます。かきこわしたところが傷になって化膿してしまうこともあります。夏に汗で悪化する場合と、冬に乾燥して悪化する場合の両方があります。

アトピーはどうして悪化するのか

アトピー性皮膚炎の人の肌は、もともと保湿成分が少なく、乾燥肌の状態になっています。そこにダニやほこりなどのアレルギーの原因物質が侵入し、また汗などの刺激に対しても過敏に反応します。このために皮膚に炎症が起こり、赤い腫れ、ぶつぶつした盛り上がりができます。少しの刺激でかゆみが出るので、そこをかいてしまい、かくことでバリア機能がさらに破壊され、刺激物がますます侵入しやすくなり、さらにかゆみがひどくなる、という悪循環になりやすいです。血清TARCという物質を計測することで、アトピー性皮膚炎の活動度を調べることができます。

アトピーの合併症

アトピー性皮膚炎の方は皮膚の抵抗力が弱いために、ウイルスや細菌感染が起こりやすいです。潜伏している単純ヘルペスウイルスが増殖しておこるカポジ水痘様発疹症と、皮膚の表面にいるブドウ球菌や連鎖球菌の感染による伝染性膿痂疹が、よく出現する合併症です。皮膚の発赤、熱感、水泡や浸出液、かさぶたが急速に広がってゆくこと特徴です。抗ウイルス薬あるいは抗菌薬の内服が必要な状態です。また白内障や網膜剥離も重要な合併症で、定期的な眼科受診の必要があります。目がかすむ、ぼやける、まぶしく感じる、蚊が飛んでいるように見えるなどの症状は早急に眼科受診が必要です。

>アトピーに対する薬の使い方

アトピー性皮膚炎治療の外用薬としては、ステロイドの塗り薬とステロイド以外の免疫抑制薬の塗り薬(プロトピック)があります。ステロイドの塗り薬には、5段階の強さがあり、それぞれの皮膚の症状の種類や重症度、炎症が起きている場所、患者さんの年齢などに応じて適切な強さの薬を使用します。

大事なことは必要十分な量のステロイドを使用することです。目安としては、人差し指の第一関節部までにのるぐらいの量の塗り薬を使用すると、手のひら2枚分くらいの範囲の皮膚をカバーできます。また塗り薬をやさしくのばすように塗ってください。すり込むように塗るのは禁止です。軟膏の塗り薬を使用するとべたつき感があるので、少量しか使用しない人がいますが、これは間違いです。塗った後にティッシュペーパーを乗せるとはり付いてしまう程度が適量です。

プロトピック軟膏は皮膚を薄くするなどの副作用がほとんどないため、顔や首のアトピー性皮膚炎に使われますが、使用開始時にひりつきや発赤などの副作用が生じることがあります。慣れてくるとステロイドを使用しないでもよい皮膚の状態を維持してゆくことが可能な場合もあります。

手や指が赤くなって、かゆい。亀裂もある。

手湿疹ですね。水仕事や美容師さんによくおこります。手指や手の甲の関節部分、手首に赤みやざらつき、ときにかさぶたや亀裂が生じます。最初はかゆみ程度ですが、悪化すると皮膚が裂けて痛くなってきます。手の皮膚は分厚いので強いステロイド軟膏剤を外用します。症状が軽快しても週に2,3回外用を継続することで予防することもできます。ステロイドを使用したくないという人は普段からのこまめな保湿が重要です。

手のひらや足の裏に水泡ができて皮剥けする

汗疱(かんぽう)、あるいは異汗性湿疹(いかんせいしっしん)とよばれる状態が考えられます。最初は数ミリ程度の透明な水泡のような発疹が手のひらや足の裏に生じ、ときにかゆみを伴います。次第に水泡が破れて輪の形になった皮むけになります。汗が原因と考えられている湿疹のひとつで、夏に多くみられます。ステロイド外用薬を使用することで症状を軽度にとどめることが可能です。ただし足の裏に水泡ができた場合、水虫との鑑別が必要です。水虫菌による炎症のために、赤いぶつぶつができ、黄色透明のねばっこい液が水泡の中にみられます。汗疱か水虫かの判断が難しければ、水虫菌の有無を確認する検査を行います。

足のスネが乾燥してかゆい

特に年齢が高い人のスネの部分が乾燥し、かゆくなってきた場合には皮脂欠乏性湿疹が考えられます。加齢やホルモンバランスの乱れにともなって肌が乾燥し、粉を吹いたようになってきます。お風呂上りなどにかゆみがあり、こするとその部分が赤くなってますますかゆくなるという悪循環におちいります。スネや足首周囲にかゆみが生じることが多いですが、腰回りや肩など服とこすれる部分に生じることもあります。保湿が中心となりますが、かゆみがひどい時はステロイド軟膏を外用します。

乾燥肌はどうしておこるのか

人の体で乾燥しやすいのは、骨の上を直接皮膚がおおっている部分です。つまり額、頬骨、骨盤の横の部分、下肢のスネの部分などです。ここはとくにこすれやすく、また圧力がかかりやすい部分なので、皮膚の表面の角質層が痛みやすいのです。角質層は肌の水分を保ち蒸発を防ぐとともに、異物の侵入や外部刺激から肌を守っています。ところが冷房や暖房による空気の乾燥、紫外線によるダメージで、角質層のこのバリア機能が弱くなってしまうと皮膚に炎症が起こり、かゆみが生じてくるのです。かゆくてこすってしまうと、なおいっそう皮膚のバリア機能が低下し炎症を悪化させ赤くなってきます。加齢のため皮脂分泌量が減っている状態では、よりいっそう乾燥肌の状態が悪化します。

乾燥肌の手入れ

乾燥肌に対する保湿外用剤には次の2種類あります。

エモリエント製剤 皮膚表面に被膜を作り水分の蒸発を防ぐ
モイスチャライザー製剤 外用剤に含まれる成分が角質層内で水分と結合して保持する

顔面の皮膚が乾燥している場合はバリア機能障害が主体で、角質水分量は保たれています。このため白色ワセリンやプロペトなどのエモリエント製剤が適しています。アトピー性皮膚炎などによる乾燥肌では、バリア機能障害だけでなく角質水分量も低下しているため、ヘパリン類似物質などのモイスチャライザー製剤が適しています。

またステロイド軟膏は角質水分量を低下させてしまうため、モイスチャライザー製剤を併用することがすすめられます。保湿剤には様々なジェネリック製品があり、薬剤成分は同じでも製品によって保湿効果や塗ったときの感触がかなり違います。症状と使いやすさを相談しながら決めてゆきましょう。

代々木の湿疹と乾燥 代々木駅前さかいクリニック
診療科目
内科・皮膚科・アレルギー科
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