頭、鼻、のど手足のマヒ、しびれ
まひ、しびれの原因は、まず脳に問題があるかどうかを考える
手足が動かない、力が入らないといった運動まひの症状、あるいは手足の感覚が鈍い、じんじんするといった感覚障害の症状は、脳や神経の働きの問題を考えさせます。手足だけでなく、顔面の筋肉や感覚の異常がみられる場合もあります。この場合、脳の問題、脊椎(背骨)の問題、末梢神経の問題(手足の中を走っている神経)、神経そのものではなく手足の循環が悪い状態、の4つの場合が考えられます。
突然起こった体半分の麻痺は救急車
脳が原因で起こる麻痺症状の場合は、体の片側にだけ、つまり右の手足、あるいは左の手足に症状が出てきます。あるいは言葉が出てこなくなる失語症の症状や、ろれつが回らないなどの症状もあります。脳の病巣が小さい場合には、片側の指先と唇の周囲のまひ症状だけの場合もあります。とくに症状が突然起こった場合、あるいは10分単位で悪化してくる場合は脳梗塞(脳の血管が詰まった状態)や脳出血を考えさせます。すぐに救急車を呼ぶ必要があります。
数分だけのまひでも早めに対応
体の半分の麻痺症状や、言葉が出ない症状が5-10分程度続いて、その後、普段通りに戻る場合も放置せずにすぐに受診してください。これは一過性脳虚血発作(TIA)といって、一時的に脳の血管が詰まりかけて再開通した状態を考えさせます。一過性脳虚血発作を起こした人の10-15%が3カ月以内に脳梗塞になり、その半数は2日以内に発症していることが明らかになっています。早期に適切な検査と治療を開始する必要があります。
首や腰の骨がずれてしびれる
脊骨が原因で起こるまひ症状は、手か足の一部にだけ症状が出現します。頸椎や腰椎のずれやヘルニアのために、飛び出した骨や椎間板が手足の神経を圧迫することで症状が出ます。通常は手足がじんじんする、感覚が鈍いといった感覚症状だけのことが多いですが、神経への圧迫が強くなると力が入りにくいなどの運動症状も出現します。何番目の骨がずれているかによって体のどの部分に症状が出るかのパターンが決まっています。たとえば上から数えて6番目の頸椎がずれている場合には、手の親指と人差し指に強く症状が出てきます。一番下の腰椎と骨盤の間がずれた場合には、臀部から太ももの裏側にかけて痛みが走ります。坐骨神経痛とよばれている症状ですね。運動神経に症状が出てくる場合には、下腿の筋肉がつったように痙攣する、いわゆるこむら返りの状態になります。腰骨の角度によって症状が出現するため、就寝中に症状が出現することが多いです。
手足の神経が障害されてしびれる場合
末梢神経の障害による麻痺症状も、手か足の一部にだけ症状が起こります。その麻痺の分布パターンは、脊椎が原因で起こる麻痺と異なっています。たとえば肘の角の内側の部分には尺骨神経という神経がとおっていますが、肘をついたりなどしてこの神経が圧迫されることがあります。そうすると、手の小指と薬指の外側がじんじんする、感覚が鈍くなるなどの症状が起こります。PC入力などの作業を長時間行っている場合には、手首の靱帯で正中神経が圧迫され、親指、人差し指、中指と手のひらがじんじん痛む症状が出現します。
数分だけのまひでも早めに対応
手足の左右どちらもがじんじんとしびれる場合には、脳神経系の問題よりは手足の循環障害の可能性を考えさせます。手足の末梢の循環は交感神経と副交感神経の2種類の自律神経のバランスで調節されています。疲れやストレス、ホルモンバランスの乱れなどによって、自律神経のバランスが崩れると手足の血流が低下して冷える、あるいは血管が拡張してむくんだような状態になります。いずれの場合でも神経の信号の流れが異常になり、じんじんするしびれ感が生じます。神経そのものが傷つくものではないので、自律神経のバランスの回復とともに症状は自然に改善します。回復を早める、あるいは再発を予防するように薬を調整します。
ただし両手足の先端がじんじんするだけでなく、感覚が鈍くなった、指先に力が入らないといった場合には、神経に炎症が起こって進行する多発神経炎などの可能性もあります。しっかりと診察したうえで、疑いがあれば専門医療機関へ紹介します。
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