胸部、背部息苦しい
夜間の息苦しさ、せきは喘息を疑う
息をするとゼイゼイ、ヒューヒューする、息苦しいといった症状が、夜間、特に明け方に出現する場合は気管支喘息を考えます。夜間に咳が出て息苦しくなる場合もあります(咳優位型喘息)。聴診すると狭くなった気管支を空気が通るヒューヒューという音が聞こえます。小児喘息はダニなどに対するアトピー体質が関与し、小学校を卒業するまでに改善することが多いです。ところが成人してから喫煙や生活環境の変化をきっかけとして喘息症状が再発することがあります。また小児期に喘息になったことがなくても、成人になってから夜間に咳が出る症状が続く咳喘息の状態になることがあります。咳喘息は一時的な気管支の過敏性によるもので、聴診しても異常はありませんが、適切な治療をせずに咳喘息を繰り返しているうちに3割は成人型喘息に移行するといわれています。
喘息は気管支の炎症と過敏性
気管支喘息では、家系内に喘息やアトピーの人がいるといった遺伝的素因に加えて、ダニ、ほこりなどのアレルギー発症因子が加わることで気管支に炎症が引き起こされます。そして気管支粘膜の浮腫(腫れ)と気管支分泌物(痰)の増加がおこることで気管支の中の空気の通り道がふさがってしまいます。さらに気管支周囲の筋肉が収縮して気道がせまくなってしまう気管支過敏性が生じます。
喘息は早めに対応を
喘息症状の誘因には、感冒、ほこり、天候、疲労、ストレス、たばこ、運動、睡眠不足、アルコール、花粉、ペット、月経などがあります。ご本人が一番よくわかることなので、このような状態のときは注意する必要があります。喘息発作の前ぶれは、のどがイガイガする、咳が出る、胸が圧迫される、痰が出るなどです。このような場合、早めに発作止めの薬を使用するべきです。症状が悪化してしまい、苦しくて横になれない、かろうじて歩ける程度の息切れがある場合には、すぐに救急外来を受診してください。発作止めの吸入薬を1,2時間おきに使用する必要がある場合も救急受診を勧めます。
喘息は症状がなくなっても治療を続けましょう
気管支喘息の治療にあたっては気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬と、気道を拡げる気管支拡張薬が使われます。現在、吸入薬が第一選択となっていますが、これには2種類のものがあります。気管支の炎症を抑え、拡げて症状のない状態を維持するために毎日規則正しく使用する長時間作用型の維持療法薬と、発作を速やかに鎮めるために症状があるときだけ使用する短時間作用型の気管支拡張薬である発作治療薬です。よく発作が起こった時だけ病院に来て治療を受けるけれども、自覚症状がなくなると薬をやめてしまう場合があります。これは大きな間違いです。喘息は慢性疾患であり、喘息症状のある時だけでなく、症状のない時でも気道の炎症は残っているため、症状がなくても毎日定期的に治療を続けることが大切です。とくに吸入ステロイド薬は即効性はありませんが使用を続けることで気道の炎症を改善させ、気道の過敏性や呼吸機能を改善させて喘息症状や発作が起こりにくい状態を維持します。6か月間吸入ステロイド薬の使用を続けることで入院、救急室受診、予定外の外来受診、欠勤・欠席の経験率が低下したとのデータもあります。
解熱剤で喘息発作がおこる
喘息の中で特殊なタイプのものにアスピリン喘息があります。バファリンやイブ、ロキソニンなどの解熱鎮痛剤を服用して3時間以内に鼻汁、結膜充血、顔面紅潮とともに喘息発作が出現します。これらの薬物が体内で分解される際に、気管支を収縮させる物質が大量に出現してしまうことで起こる症状であり、アレルギー反応ではないです。中高年の女性に多く、副鼻腔炎や鼻ポリープを高率に合併しているという特徴があります。ほかにも一部の食品添加物(食用黄色4号、安息香酸ナトリウム、パラベン)でも同様のメカニズムで喘息が起こることがあります。
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