代々木の食物アレルギー代々木駅前さかいクリニック

アレルギー食物アレルギー

食べたら赤くなってかゆくなる

乳幼児から小児期によくみられる鶏卵、牛乳に対するアレルギーは自然に軽快することが多いです。20歳以上の食物アレルギーの原因物質としては、小麦、甲殻類、果物、大豆（豆乳）、ピーナッツ、アニサキス、スパイス、ソバがあげられます。食物アレルギーの症状としては典型的にはじんましんの形です。特定の食べ物を食べて２時間以内に、全身に赤く盛り上がった斑点が生じ、かゆみをともないます。

食物アレルギーの検査

あるものを食べるたびにじんましん症状が出ているならば、食物アレルギーの可能性が高いといえます。問題なのは、食後に皮膚や口の中に軽度のかゆみや違和感があるけれども自然に改善してしまい、食物アレルギーかどうか不明な場合です。たとえ症状が軽度であっても、次に症状が出るときには重症化する可能性もあります。心配だから検査をしてほしいという方もおられます。

血液検査で疑わしい食物に対する抗体を計測する特異的IgE 検査は、症状出現の予測に有用であるとされています。でも実際に出現する食物アレルギーの症状と、この検査結果は必ずしも一致しないこともよく知られています。症状と検査結果を合わせて生活上の注意点を一緒に考えてゆきましょう。より確実な検査法として、該当食物を実際に少量摂取してもらって症状を評価する経口負荷試験があります。でもこの検査はアナフィラキシーが出現する危険性もあるため、救急対応も可能な専門施設で行う必要があります。

危険なアナフィラキシー

アナフィラキシーとは、全身性に起こったアレルギー症状で生命に危険が及ぶ可能性のある過敏反応と定義されています。原因食物を摂取してから2時間以内に、皮膚のかゆみや赤み、唇やまぶたの腫れだけでなく、のどの痛み、せき、鼻水、息苦しさなどの呼吸器症状、腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状が出現します。重症だと血圧が低下し、ぐったりして意識を失います。食物以外にもハチ刺されや医薬品が原因となることもあります。このような症状が出現した場合にはただちに救急車を呼ぶべきです。

パンを食べた後に運動するとじんましんがでて気持ちが悪くなる

食物依存性運動誘発性アナフィラキシーという病気があります。長くて覚えられそうもない病名ですね。特定の食物を食べた後に運動すると、ほとんどの場合45分以内に全身のじんましんにつづいて呼吸困難、血圧低下、ひどい場合には意識を失ってしまうなどの症状が現れます。その食物を食べただけ、あるいは運動しただけでは症状が出ません。原因は小麦が半数以上を占め、次いで甲殻類が多いです。運動以外にも、解熱鎮痛剤の服用やアルコール飲料の摂取、入浴も誘因となります。原因物質を摂取した場合、最低2時間は運動を避ける、2時間以上たっていても皮膚の違和感やじんましんが出現したら直ちに運動を中止して休憩するなどの対処を行います。また感冒薬や鎮痛剤を内服した後は運動を避けるなどの注意も必要です。アドレナリン自己注射薬（処方は専門施設のみ）を携行することが勧められます。

アニサキスによるアレルギー

青魚を摂取してじんましんが出る場合、魚そのものではなく魚の寄生虫であるアニサキスが原因の場合があります。アニサキスの幼虫が生きていて人の胃粘膜にもぐりこんで激痛を生じるのはアニサキス症です。この場合はよく加熱すると発症しません。ところがアニサキスによるアレルギーの原因は、アニサキスの分泌物、排泄物に存在するため、魚を加熱あるいは冷凍処理をしてもアレルギー症状が生じます。タラ、サバ、カツオ、サクラマス、ニシンには高率でアニサキスが寄生しています。マグロ、ハマチ、ヒラメ、アナゴは寄生率が低いです。対策はアニサキス寄生率の高い魚介類の摂取を避けるしかありません。

鞭のあとのような赤い線が体中にでてきて、かゆくてたまらない　→　シイタケ皮膚炎

全身がかゆくなり、胸やおなか、腕に赤い線が何本も出てきた。鞭でたたかれたあとのようになっているけど、私にはそんな趣味はありません。夏にバーベキューをする時期にこのような患者さんがいらっしゃいます。このような症状を見たら真っ先に「症状がでる前にシイタケを食べなかったですか？」とたずねます。シイタケ皮膚炎はこのような線状皮膚炎が特徴で、生焼けのシイタケを食べて数時間から数日してから症状が出てきます。かゆみのために無意識のうちに手でかいてしまったために、手の届く範囲の皮膚が線状に赤くなるのです。熱で変性したシイタケの成分が原因と考えられていますが、その後シイタケを食べても同様の症状が出ることはまれで、単純な食物アレルギーとは異なるようです。

診療科目: 内科・皮膚科・アレルギー科
住所: 東京都渋谷区代々木
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