代々木の肥満、メタボ 代々木駅前さかいクリニックYoyogi Station Sakai Medical Clinic

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成人病肥満、メタボ

肥満症はただのデブではない

肥満は肥満指数 BMI によって判断されます。その計算方法は BMI = 体重(kg)÷[身長(m)の2乗] です。理想的な BMI は 22 とされています。BMI が 25 以上だと肥満と判定されます。 また BMI が 25 以上であり、かつ以下のいずれかの条件を満たせば肥満症と診断します。

  1. 肥満に起因ないし関連する 11 項目の健康障害(1.耐糖能障害、2.高血圧、3.脂質代謝異常、4.高尿酸血症、5.冠動脈疾患、6.脳梗塞、7.脂肪肝、8.月経異常、9.肥満関連腎臓病、10.整形外科的疾患、11.睡眠時無呼吸症候群)のいずれかを有するもの。
  2. 健康障害の有無にかかわらず、ウエスト周囲長が男性で 85cm 以上、女性で 90cm 以上で内臓脂肪型肥満が疑われるもの(厳密には腹部 CT 検査で内臓脂肪面積が 100cm2 以上)。

つまり肥満症とはただ太っているというだけではなく、明らかな健康障害を引き起こしている状態なのです。このために治療が必要な状態なのです。

体重がそれほど多くないのにメタボと言われた…

最近は肥満よりもメタボという言葉をよく耳にしますよね。メタボ(正式にはメタボリック症候群)は肥満症とは少し違います。その定義は

  1. ウエスト周囲長が男性 85cm 以上、女性 90cm 以上
  2. 以下の脂質異常、高血圧、高血糖のうち少なくとも 2 項目に当てはまるもの

    • 脂質異常:中性脂肪(トリグリセライド)≧150 または HDL<40
    • 高血圧:収縮期血圧≧130 または 拡張期圧≧85
    • 高血糖:空腹時血糖≧110

このように肥満症と違って、メタボの定義には BMI が含まれていません。ですので体重がそれほど多くなくてもメタボと診断されてしまうこともあるのです。健康診断で、そんなに体重が多くないのにメタボといわれてしまうこともあります。納得がゆかない思いをし ている人も多いのではないでしょうか。

これは、体重変化にあまり表れてこない内臓脂肪に注目しているからです。体の脂肪には皮下脂肪と内臓脂肪があります。皮膚をつまんだらプヨプヨしているのが皮下脂肪ですが、内臓脂肪は腸などの内臓のまわりについている脂肪です。ですので見た目にはよくわからない場合もあります。見た目はそんなにデブに見えなくても、この内臓脂肪は血中の脂肪を増やして高脂血症の原因となり、インスリンの働きを邪魔して糖尿病の原因にもなるなど、生活習慣病と関係が深いことがわかっています。さらに内臓脂肪そのものが動脈硬化の進行に直接かかわっていることもわかってきました。たとえばメタボの人はそうでない人に比べて

脳梗塞の発生率 心筋梗塞や狭心症の発生率
男性 3.1倍 2.4倍
女性 2.2倍 2.9倍
(久山町研究)

となっています。メタボは見かけだけの問題ではなく、健康に問題を生じさせることが数字の上で明らかになっているのです。

見た目がデブでなくても内臓脂肪がついていることがある

最近の体重計には体脂肪や内臓脂肪量を計測できるものがあります。体脂肪率判定の目安としては、男性 10.0%~19.9%、女性 20.0%~29.9%が標準とされています。内臓脂肪レベルについてはまだ確立された計測手法はなく、計測機器メーカーごとに数値が異なっています。およそですが、腹部 CT 画像検査で内臓脂肪面積が 100cm2 のときに、内臓脂肪レベルが 10 に相当するように設定されています。したがって標準値は 1~9 という幅を持った値になっています。運動や食事療法の効果を実感するにはよい目安になります。もちろんこのような体重計を購入しなくても、まずは
「体重およびウエスト周囲長の 5%減」
を目標として生活を見直してゆきましょう。つまり体重が 80 kgならまず 4 kg減らしましょう。ウエストが 90cm ならまずは 5cm 減らしましょう。

肝臓がデブになっている脂肪肝

健康診断などでおなかの超音波検査をすると肝臓が通常よりも白く映ることがあります。これが脂肪肝です。フォアグラってご存知ですか?ガチョウやアヒルにたくさんえさを食 させて、肝臓に脂肪がたくさんついた状態にして食べる料理です。人間の脂肪肝はちょうどフォアグラのような状態になった肝臓のことです。自分の肝臓が、フォアグラのように油したたる状態になっているのを想像するとかなり怖いですね。

脂肪肝は広い意味では内臓脂肪にふくまれます。でも通常の内臓脂肪が内臓のすき間にたまった脂肪細胞なのに対して、脂肪肝は肝臓の細胞の中に脂肪がたまった状態です。このため肝臓の細胞にダメージを与えてしまうのです。
脂肪肝は大きく分けてアルコール性と非アルコール性に分類されます。お酒をあまり飲んでいないにもかかわらず、肥満や糖尿病などの生活習慣病が原因で脂肪肝になっている場合は、非アルコール性脂肪肝です。脂肪がたまった肝細胞に炎症が生じると、肝硬変や肝癌に進展する危険性がでてきます。血液検査で肝臓の働きが大丈夫か、あるいは血小板数が下がっていないかを定期的にチェックしてゆく必要があります。
脂肪肝は 7 割以上が肥満を伴っているため、現在、脂肪肝の治療法として最も効果的とされているのが運動や食事療法による減量です。ガイドラインでは、脂肪肝と診断されて肥満があれば
「体重を 7%減らすこと」
が推奨されています。ただの肥満症の場合に比べて、目標値がすこし厳しめです。頑張りましょう。

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